プーチン大統領はどう呼ぶのが正式?ロシア人の名前についての話

Всем привет! 皆さま、お元気でしたか? 今私は幼少期を育った親元の札幌におります。ここでは、今、少しずつお花が咲いてきまして、そろそろお花見に出かけようかなと思っているころでございます。

ロシアにいる友人や生徒達から、桜の写真をたくさん撮ってくるように言われているので、責任重大です。というのも、私が住んでいたロシアのペルミは、5月初旬の今まだ雪が残っているところがあるのだとか。今週から暖かくなるみたいですけどね。

こんな桜が咲く季節は日本では新学期や入社など新しいことの始まりが多いですよね。そんな時、多くの人が周りの名前を覚えるのに必死です。

今回はそんなロシア人の名前についてのお話です。

 

ファーストネーム、ラストネームの順

まず、最初に原則としてあるのが、ロシアはヨーロッパなどと一緒で、名前、姓の順です。Taro Yamadaと言った感じです。

ですので、例えば、有名テニスプレーヤーのシャラポワさんでいうと「マリヤ・シャラポワ」ということになりますね。

シャラポワって実はファミリーネームだったんですよ。日本人の中では、シャラポワがファーストネームと思っている人多くないですか?

 

 

同じ例でプーチン大統領。“プーチン“も日本の苗字にあたるファミリーネームです。先日行われた日ロ首脳会談では、安倍総理が、”ウラジーミル”とファーストネームで呼んだと日本で話題になっていたと聞きました。

全く問題ないと思いますが、実は正式なロシア式の呼び方を求めるなら、もう一歩必要になります。それは、“ヴラジーミル・ヴラジーミロヴィッチ”という呼び方です。

日本人には舌を噛みそうかもしれませんが、ロシアの政治家は、プーチン大統領をこのように呼びます。では、ウラジーミルは名前ですが、その後のウラジーミロヴィッチとは一体何の意味でしょうか?

それは、彼の父親の名前が関係している“父称”と呼ばれるものなのです。

 

ロシアの父称

ロシア人の名前を語るのに父称を切り離すことはできません。

ロシアの父称をよく勘違いしてミドルネームと思う人もいますが、少し違います。

ロシアの父称というのは、父親の名前からできているもう一つのその人の名前のようなものです。これは昔からあるものなので、訳すものではありませんが(和訳のロシア文学でもそのままです)、あえて訳そうとすれば「~の」のような意味になります。

例えばお父さんがの名前がミハイルさんだったら、その娘はミハイロヴナ、息子はミハイロヴッチとなります(*ロシア語は女性、男性で言葉の変化があります)。

日本式に言うと、「ミハイルんとこの子」っという感覚でしょうか?

さっきのシャラポワさんの例でいうと、お父様がユーリーさんだったので、彼女の名前を略さずに言うと、“マリア・ユーリエヴナ・シャラポワ”となります。

ウラジーミル・プーチン大統領は、お父さんもウラジーミルなので、プーチン・ヴラジーミロヴィッチ・ヴラジーミルが正式な名前になります。

 

 

ロシアの敬語

ちなみに、オフィシャルな場では、日本に少し似ている順番で名乗ります

「苗字⇒名前⇒父称」です。

また、オフィシャルな場で、他人を呼ぶとき、ロシアの社会では、日本で○○さん、○○先生と敬意をもって呼びたい場合。

名前(ファースネーム)ではなく、父称をつけて、『名前(ファースネーム)+父称』で呼びます。

こうすることが、ロシア式敬語表現になります。

ですので、プーチン大統領はロシアの議員仲間からは、敬意をこめて「ヴラジーミル・ヴラジーミロヴィッチ」と呼ばれております。

もし安倍総理が「ウラジーミル」から発展して、「ヴラジーミル・ヴラジーミロヴィッチ」と呼べたら、プーチン大統領も思わず、にやりとしたことでしょう。

もちろん、外国の総理にそこまでロシアの文化を求めていませんので、繰り返しになりますが、ウラジーミルとFirst nameで安倍総理が呼んだことは全く問題ないです。

ちなみに、〇〇さんという日本式表現もロシア語にはあります。

господин (ガスパディン)というものです。Mr.と同じです。

Mrs.の場合、госпожаとなります。

ただ、今はあまり使われなくなってきていますので、是非ロシア人の父称について、知ってみて下さいね。

 

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