オーバーツーリズム問題って何?

Keita: Dr. ECOM、こんにちは! 最近、ニュースで「オーバーツーリズム」っていう言葉をよく聞くんです。僕が住んでいる東京も、浅草とか渋谷に行くと外国人の観光客の人がすっごく多くて。これって、何か問題なんですか?

Dr. ECOM: Keita君、こんにちは。とても良いところに気が付いたね。それは今、日本だけでなく世界中で大きな課題になっている “Overtourism” (オーバーツーリズム) という現象なんだ。英語の “Over” (オーバー) は「〜しすぎ」とか「過度な」という意味で、“tourism” (ツーリズム) は「観光」だね。だから、文字通り「観光客が多すぎること」によって、いろいろな問題が起きてしまうことを指すんだよ。

Keita: へえ、”Over-tourism” ですか。観光客の人がたくさん来てくれるのは、お店も儲かるし、良いことなのかなって思ってました。

Dr. ECOM: もちろん、観光は経済を元気にしたり、いろいろな文化を知る良い機会になったりする、大切なものだ。でもね、ある英語のニュース記事によると、日本は今 “a record surge in international visitors” を経験していると書かれていたんだ。 さて、ここで出てきた “record surge” (レコード・サージ) という英語表現だけど、“record” は「記録的な」、そして “surge” は、波がザブーンと急に高くなるみたいに「急増」とか「殺到」することを意味するんだ。だから、「記録的なほど、ものすごい勢いで海外からの観光客が増えている」ということだね。

Keita: 記録的なんですか! だから、僕が乗る電車とかバスも、前より混んでいる気がするのかなあ。

Dr. ECOM: その通りかもしれないね。特に、京都の祇園のような “iconic locations” (アイコニック・ロケーションズ) や富士山みたいな場所は、記事にもあったけれど、あまりにも多くの人が一度に訪れることで “straining under the pressure” (ストレイニング・アンダー・ザ・プレッシャー) という状態になっているんだ。 この “iconic” というのは、「象徴的な」とか「その場所を代表するような」という意味。例えば、東京タワーも東京の”iconic building”の一つだね。そして “straining under the pressure” は、まるで重たい荷物を背負って、もうこれ以上無理だよーと悲鳴を上げているような、そんな苦しい状況を表す英語の言い回しだよ。

Keita: うわぁ、場所が悲鳴を上げているなんて、なんだか大変そう…。そこに住んでいる人たちは大丈夫なんですか?

Dr. ECOM: Keita君、とても大切なポイントだね。記事によると、観光客が増えすぎると、その地域に住む人々の “quality of life” (クオリティ・オブ・ライフ) 、つまり「生活の質」が下がってしまうことがあるんだ。例えば、毎日使うバスが満員で乗れなかったり、街にゴミが増える “littering” (リタリング) の問題が起きたり、静かに暮らせなくなったり。時には、観光客が悪気なく私有地に入ってしまう “trespassing on private property” (トレスパシング・オン・プライベート・プロパティ) という問題も報告されているんだ。 “Littering” は「ゴミのポイ捨て」、“trespassing” は「不法侵入」という意味。どちらもマナーとして気をつけたいことだね。

Keita: それは地元の人たちがかわいそうですね…。何か、国や街は対策をしているんですか?

Dr. ECOM: もちろんだよ。そういった “negative effects” (ネガティブ・エフェクツ) 、つまり「悪い影響」を少しでも減らすために、いろいろな “measures” (メジャーズ) 、つまり「対策」を “implement” (インプリメント) し始めているんだ。 英語で “mitigate” (ミティゲイト) という言葉があって、これは「(悪い影響などを)和らげる、軽減する」という意味。だから、“implement measures to mitigate the negative effects” で「悪影響を和らげるための対策を実行する」となるんだ。 具体的な例を挙げると、富士山では登山者の数を管理するために “reservation system” (リザベーション・システム) 、つまり「予約制」を導入したり、1日に登れる人数に “daily cap” (デイリー・キャップ) 、「上限」を設けたり、“climbing fee” (クライミング・フィー) 、「登山料」を集めるようになったんだ。

Keita: へえ、そういう具体的な対策のほかに、僕たち小学生でも、何かできることってありますか?

Dr. ECOM: とても良い質問だね、Keita君。小学生の君でもできることはたくさんあるよ。例えば、自分たちが観光地に行ったときには、ゴミは必ず持ち帰る、大きな声を出して騒がない、といった基本的なマナーを守ること。そして、もし街で困っている様子の外国人観光客を見かけたら、勇気を出して「何かお手伝いできますか?」と声をかけてみるのも、立派な “responsible tourism” (レスポンシブル・ツーリズム) の一歩だよ。 “Responsible” は「責任感のある」という意味だから、“responsible tourism” で「責任ある観光」、つまり、訪れる場所の環境や文化、住んでいる人々に配慮した観光のあり方を指すんだ。

Keita: 「責任ある観光」ですか。僕も、もし外国の人が道に迷っていたら、知っている道なら教えてあげたいです!

Dr. ECOM: それは素晴らしい心構えだね、Keita君。観光客も、そして観光客を迎える地域の人たちも、お互いが気持ちよく過ごせるような “sustainable balance” (サステイナブル・バランス) 、つまり「持続可能なバランス」を見つけていくことが、これからの観光にはとても大切なんだ。

Keita: Dr. ECOM、ありがとうございました!オーバーツーリズムのこと、そして僕にもできることがあるって分かって、すごく勉強になりました!

Dr. ECOM: どういたしまして、Keita君。これからも色々なことに関心を持って、学んでいってね。

■ 重要単語・表現

はい、承知いたしました。 先ほどのDr. ECOMとKeita君の対話で取り上げられた英語の語彙や表現に、簡単な解説と和訳を添えて再度表示します。


  1. Overtourism
    • 「Over(~しすぎ)」と「tourism(観光)」を組み合わせた言葉で、観光客が特定の地域に集中しすぎることによって起こる様々な問題のことです。
    • オーバーツーリズム、観光公害
  2. a record surge in international visitors
    • 「record(記録的な)」と「surge(急増、殺到)」を使い、「海外からの訪問者が記録的な勢いで急増していること」を表すフレーズです。
    • 記録的な海外からの訪問客の急増
  3. iconic locations
    • 「iconic(象徴的な)」な場所、つまりその地域や文化を代表するような、誰もが知っている有名な観光名所を指します。
    • 象徴的な場所、代表的な名所
  4. straining under the pressure
    • あまりの重圧や負担で、まるで押しつぶされそうになってきしんでいたり、悲鳴を上げたりしているような苦しい状況を表す比喩的な表現です。
    • 重圧に苦しんでいる、プレッシャーで悲鳴を上げている
  5. quality of life
    • 「生活の質」と訳され、人々がどれだけ物質的・精神的に満たされた、快適で満足のいく生活を送れているかの度合いを示します。
    • 生活の質
  6. littering
    • ゴミを決められた場所以外に捨てる「ポイ捨て」行為のことです。
    • ゴミのポイ捨て
  7. trespassing on private property
    • 「trespassing(不法侵入)」は許可なく立ち入ることを指し、ここでは「私有地に許可なく立ち入ること」を意味します。
    • 私有地への不法侵入
  8. negative effects
    • ある事柄が引き起こす「悪い影響」や「好ましくない結果」のことです。
    • 悪影響、負の効果
  9. measures
    • 問題解決や状況改善のために取られる具体的な「対策」や「手段」のことです。
    • 対策、措置
  10. implement
    • 計画や法律、対策などを実際に「実行する」「実施する」という意味の動詞です。
    • 実行する、実施する
  11. mitigate
    • (損害や苦痛、影響などを)「和らげる」「軽減する」「軽くする」という意味の動詞です。
    • 軽減する、和らげる
  12. reservation system
    • ホテルやレストラン、交通機関、施設などを利用する際に、事前に「予約する仕組み(制度)」のことです。
    • 予約システム、予約制
  13. daily cap
    • 1日あたりに受け入れられる人数や量などに設ける「上限」のことです。
    • 1日の上限
  14. climbing fee
    • 山などに登る際に支払う「登山料」や入山料のことです。
    • 登山料、入山料
  15. responsible tourism
    • 「Responsible(責任感のある)」観光のことで、訪れる場所の環境、文化、地元住民の生活に配慮し、持続可能性を考えて行動する観光のあり方です。
    • 責任ある観光
  16. sustainable balance
    • 環境、社会、経済の各側面において、将来にわたって「持続可能なバランス(調和)」を保つことを目指す考え方です。
    • 持続可能なバランス、持続可能な調和

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