こんにちは。Ecomのオルファです。
今日は先週の続きで、6月28日からスタートした「ラマダン」の目的についてお話します。(先週のポストはコチラです)
ラマダンはただ断食をするわけではありませんよ!
その4:共感
これは先ほどの「集団生活」と似ています。アラブ地域でも海外のムスリム地域でも、モスクに行けば日没の食事が出ます。また家で食べる時も、ほぼ必ず隣人に誘われるはずですよ。
面白い話ですが、イスラムではラマダンの時に「相手の家に誘われて晩御飯を食べるよりも、誘ってあげた方が神様に良く思われるのでメリットがある」と考えられています。そのため皆、「絶対、奢ってもらうよりも奢ってあげたい」と思っているんですよ!なので、レストランでお会計を払う時には「自分が払います!」とお互いに喧嘩するのが普通です(笑)
ラマダンの時期は日没に食事をしますが、断食を明ける時には最初にタマル(ナツメヤシ)を食べることとされています。なので、アラブ地域ではラマダン時期を中心に色んな広告でナツメヤシが出てきます。こちらのCMは「電話料金が半額になる」ことを「タマルの半分を隣の人に渡す」というジェスチャーで表現しています。
その5:謙遜・我慢
ラマダンでは欲求の整理をして、余計な欲をコントロールできるようになります。食べたい時に食べられない、やりたいときにできないことは誰にでも起こりますよね。ラマダンでそれを前持って体験しておくことで、何が起きても我慢できるようになると言われています。
私は、子供と大人の最も大きな違いは「我慢する力」だと思っています。大人だってミスをすることは変わりません。どれくらい経験があっても間違えるのが人間です。でも「今欲しい、待っていられない」となってしまう人は、努力不足だと思います。ラマダンでトレーニングしたほうが良いですね(笑)
こちらはカタールのQtelという会社のCMです。この会社はラマダンの時期に、色んなユーモアのあるCMを放送しています。
ちなみに、このCMにいつも出演している男の子二人は「ラマダン」「ムバラク」という名前です。この二つの名前をくっつけると、「ラマダンおめでとう」という意味になります。
その6:感謝
今までの話しからもわかるように、ラマダンはただの「断食」ではありません。新しい生活リズム、周囲の人間との触れ合い、我慢することの大事さなど、色々なことを覚える貴重なチャンスです。
中でも一番大切なのは、「感謝」だと思います。ラマダンとは「自分に(相手に)何が起きていても優しくすること」を集団で体験する期間です。この世界は自分の物じゃない、当たり前のことなどない、ということがわかれば、周りに感謝できるようになりますね。今日も食事が食べられて良かった、優しい友達がいてくれて良かった、と思えるようになります。
皆さん、ラマダンの紹介はいかがでしたか?ラマダンは、初めて聞いた方にはとっても不思議に見えるでしょう。
ですが、ただの断食ではなくこういった考え方があるんですよ。皆さんはこれを知って、どう思いましたか?
色んな友達がラマダンのことを聞いて、一緒にラマダンを体験しようと断食をしてくれたりすることがあります。それはとても嬉しいのですが、私が思うに一日中何も食べないのはちょっと意味ないかなー。どちらかと言ったらそれは「ダイエット」では?(笑)
別に断食する必要はありませんが、今回紹介した「ラマダン意識」を持ってくださいね!やりたいことができた時に感謝する、自分が好きな食べ物を食べたい時に食べられることを感謝することが大切です。
わがままな行動をやめること、喧嘩している人を許してあげること、家族と楽しく生活すること、連帯感を感じること…。これらは全部「ラマダン意識」につながります。
いきなり断食をして苦しむよりは、ラマダンの教えを考えてみることがオススメですよ^^