Ecomのユリアです。Guten Tag Ihr Lieben. Wie geht es Ihnen?
ドイツ料理の味付けは普通に塩味が多く、スパイスを使うことは少ないです。ただ、今回の慣用語はドイツ語では珍しい、スパイスを使ったものです。
第4回
„Hingehen wo der Pfeffer wächst“
(胡椒が育つ場所へ行く)
「Der Pfeffer」は胡椒で、その後の動詞は「wachsen」(育つ)が原型です。つまり、「胡椒が育つ」という意味になります。「hingehen wo」は「ある所へ行く」なので、このフレーズは「胡椒が育つ所へ行く」と翻訳されます。
でも、これだけだと特に変わった意味には見えないですね。ただ、このフレーズは慣用語として中世から使われています。
中世の時代、胡椒はとても遠いインドなどの国から輸入されました。その時はインドなんて聞いたことがない場所でした。船で何ヶ月もかかるし、知らない文化と習慣がある国なので、全く想像できない所でした。つまり、「胡椒を栽培している場所」とは実際の国や土地とは関係なく、とにかく遠い場所を意味しています。
さて、自分では想像もできないような遠い国に行って欲しい人とは、誰でしょうか?そうです、嫌いな人や苦手な人です。近くにいて欲しくない人、自分の側から消えてほしい人には、胡椒が栽培されている国に行ってもらいましょう(笑)
そのような考え方で「Geh dorthin, wo der Pfeffer wächst!」(胡椒を栽培している所に行きなさい!)とは「あなたと一緒にいるのは我慢ができないから、早く消えて!」という意味になります。あるいは「Dort bleiben, wo der Pfeffer wächst」(胡椒を栽培している場所に残って)というバリエーションもあります。ただ遠い場所に行くだけではなく、そっちに行ってからも帰って欲しくないということです。
例えば友達と喧嘩した時に使うフレーズですね。私も子供の時に喧嘩で言われたことがありますが、逆に「胡椒はどこなの?お婆ちゃんの庭にもあるよ?」と聞き返していました。インドがどこにあるかも知らなかったからですね(笑)