ロシア人が休みを過ごす別荘「ダーチャ」(後編)

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Всем привет! みなさんこんにちは!

Ecomのユリヤです。

先週まで2回にわたってロシアのちび別荘、ダーチャについてお話をしましたが、今回がラストになります。(前編はこちら)(中編はこちら)

今日は、ダーチャで過ごす短い夏の期間にロシア人がする冬の準備のお話です。

ロシアの冬は寒いだけではなく、とても長いです。

ドストエフスキーやトルストイが書いたような長編小説は、その冬の長さゆえにできたと言われるくらいです!(笑)

分厚い本を2冊ほど書けちゃうくらい長いのです…。

そして当然、そんな寒い冬の間、作物は育ちません。

お日様もめったにお目にかかれないので、栄養はどこから取ろうかしら~…となりますよね。

そこで!

夏の内に、冬を無事に越すための準備をたっぷりするんですね。

当然今はスーパーなどに行けばいつの季節でも野菜や果物が買えますが、結構高いです。

また、どんな肥料が入っているかわからないものを買うより、自分で作った方が安心です。

 

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こちらはペチカという、ロシア風の暖炉です。北海道でも使われていますよ。

 

「作った」と書きましたが、ロシア人はまさに作っちゃうのです。

種から植えて、肥料は野菜の種類に合わせて家庭で出た生ごみなどを使います。

自分たちで一所懸命に育てた野菜はその場で食べたり、ピクルスにしたり、缶詰のソースやスープを作ったりします。

ジャガイモやニンジン、ビーツなどの根菜は冷蔵庫で数か月持つためそのまま保管します。

フルーツや果物はジャムやジュースにする他、そのまま冷凍する人も多いです。

 

また、南の地方に行くとドライフルーツもよく目にします。

夏にロシアの下町を歩くと、色々な所で優しそうなおばあさんやおじいさんが、自分のダーチャで育てた野菜や果物を売っています。

もし見かけたら、買ってみることをオススメします!

間違いなく美味しいです。

そして最後の木の葉も落ちて雪が降り始める頃には、栄養不足にならずに冬を越せるだけの食糧が冷蔵庫やベランダ、屋根裏部屋にたっぷりと積んであるのです。

ここでみなさんに、ワンポイントアドバイス!

もしロシア人のお家にお邪魔をして、ジャムや蜂蜜のような手作りグッズを渡されたら、重いけれど断らないでください。

むしろ機会があったら「手作り食べてみたいなぁ」くらい言ってください。

騙されたと思ってそうすれば、わざわざ日本まで持って帰ってきて良かった!

と思うはずです。

少なくとも私が今まで一緒に働いた日本人は全員、後から感謝し「もっともらっておけばよかった…」と後悔していました。

何度も繰り返しますが、本当においしいのです!

 

ロシア人が休みを過ごす別荘「ダーチャ」(後編)

 

ダーチャについての話は以上ですが、最後にロシア人にとってのダーチャのイメージをつかむことができる、一つのコマーシャルを紹介します。

思春期の女の子がダーチャに行かず一人家にいる時、冷蔵庫からヨーグルトを取り出します。

そこには「私たちはダーチャにいるから」というお母さんからのメモが。

その子はヨーグルトを食べると反抗期も忘れ、両親のいるダーチャでニコニコしながらご両親と幸せな休日を過ごす…というストーリーです。

このように、ヨーグルトのコマーシャルでさえダーチャが使われるくらい、ロシア人にとっては「家庭的な暖かい場所」となっているのでしょう。

みなさんも寒い国ロシアの暖かみを探しに、一度ダーチャツアーをしてみてはいかが?

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