アラブの名文、諺『片耳は粘土、もう片耳は餅』

olfa

Ecomのオルファです。アフラン・ワ・セフラン!(أهلاً وسهلاً !)

皆さんはお喋りするのが好きですか?その時には、友達はあなたの話をちゃんと聞いてくれていますか?
また逆に、自分にすごくお喋りな友達がいて、その話を聞いている時に、途中で飽きてしまってぼーっとすることはありませんか?
そのような時には、今回紹介するアラブ名文があてはまりますよ^^

第17回
اذن من طين واذن من عجين
オドン・ミン・ティン・ワ・オドン・ミン・ガジーン
(片耳は粘土、もう片耳は餅)

アラブの名文、諺『片耳は粘土、もう片耳は餅』

◆単語
اذن (オドン)=耳(単数)
من (ミン)=~の、~から
و (ワ)=と
طين (ティン)=粘土
عجين (ガジーン)=混ぜ合わせたもの(≒お餅に似たもの)

自分の耳がお餅になるとは、一体どういうことでしょうか?アラビア語でعجينはパンやケーキなどを作る生地の、焼く前の状態です。ということは、お餅みたいにとっても柔らかくて、形のない状態ですね。

自分の耳がこのようになっていたら、相手の言うことが聞こえませんよね
この名文を言う時、言われる時は「片耳が柔らかい」、つまり半分くらいしか聞いていないことを意味します。話を興味なさそうに、適当に聞いている時に使われる表現です。

ところで、どうしてこの名文ではもう片方の耳に「粘土」が使われているのでしょうか?粘土より固くてしっかりしている物質は色々ありますよね?
それは、アラブ世界には「神様が人間を粘土から作った」と言う神話があるからです!この世界の最初の人間は、粘土から身体ができたと伝えられています。そのためアラブ人は今までもよく、人間の身体のことを詩的、哲学的に表す時に「肉」などではなく「粘土」という言葉を使います^^

そして、「パンやケーキの生地」は形もないし、食べられないし、動かせないです。つまり、中途半端で使えないことを意味します。この見た目が粘土と似ているので、これらは同じようなものだけど「使えるものと使えないもの」という反対の性質があります。今回のフレーズは、それを上手に使っていますね。

この名文は発音とリズムが綺麗なので、ジョークなどでもよく使われます。

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