アラブの名言、諺『井戸を掘って詰めて、労働者を首にしない』

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先週のアラビア語名文ではビジネスで使う諺を紹介しましたが、今回も引き続いて仕事に関するフレーズになります。

 

 

第31回
احفر بئرا وَطُمَّ بئرا ولا تُعَطِّلْ أجيرا
「アフフェル・ビイラン・ワ・トッマ・ビイラン・ワ=ラー・トハッタル・アジーレン」
(井戸を掘って詰めて、労働者を首にしない)

 

アラブの名言、諺『井戸を掘って詰めて、労働者を首にしない』

 

 

◆単語
احفر(アフフェル)=掘る
بئرا(ビイラン)=井
طُمَّ(トッマ)=詰める/閉める
لا(ラー)=~しない(否定)
تُعَطِّلْ(トハッタル)=送還する/止めさせる/首にする
أجيرا(アジーレン)=勤労者/職員

 

さて、この名文はどういう意味でしょうか?
井戸を掘ったのにそれを詰めるとは一体…?意味の無い作業ではないでしょうか?時間、お金、努力の無駄ですよね。

ただ、なぜかアラブにはこのようなことをすすめる名文があります。
このフレーズは正直、ちょっと誇張したイメージですね。実際は「それをするのは良いこと」なのではなく、「そうした方が良い時もある」という考え方です。

 

つまり、アラブ人は「仕事がなくなって職員を首にするよりは、井戸を掘らせてまたその同じ井戸を詰めさせた方がマシだ」と考えています。
(もちろんこれは、才能が無くて努力もしない人を首にする場合は当てはまりませんよ!)

 

例えば、あなたの会社に仕事がなくなってしまいました。何とかして会社が倒産しないように頑張る必要があります。アラブの考え方では、その時雇用を減らすことは一番悪い戦略です。

井戸を掘って詰めるという労働は、無意味に見えます。物資や人の無駄使いです。でもアラブ人は、こうやって物事の成り行きや経済の回転を止まらせないことで、やがて自分たちの仕事もうまくいくと信じています。

 

「資源を無駄にしても構わない」わけでは全くなくて、働き続けることでチャンスが来るという考えですね。仕事を止めたら、どんどん落ちていってしまいますね

仕事をやめてしまったり社員を首にしてしまったら、また景気が良くなったりしても仕事を再開できません。ゼロからもう一度スタートするのは難しいですよね。

しかも、仕事のなくなった人にも大きな影響があります。彼らは仕事が無いと給料がもらえなくて、何も買うことができません。すると、企業も自分たちの商品が売れなくなってしまいますよね。社員をやめさせてお金を節約しても。結局社会全体で見ると損をすることになります。

 

日本人は、その井戸は無駄だから壊すのでしょうか?それとも、働き続けてもらうのでしょうか?ぜひ皆さんの考えを聞きたいです。

 

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