ロシア人が好きな日本文学作品ベスト5

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Всем привет! みなさんこんにちは。Ecomのユリヤです。これまで10回ほどにわたりロシア文学について書きましたが、自分がまだまだ知識がないことに気づかされました。反省し、今年は読書の年にしたいと思います。
そして、友人にこの話をするたびに驚かされることがあります。それは、ロシア人が意外にも日本文学に非常に詳しいことです。

そこで今日は文学シリーズの締めくくりとして、ロシアで人気のある日本文学について書こうと思います。そのために色々な人に「あなたはどんな日本文学が好き?」と聞いて周ってみました。語学レッスンの生徒全員と友人、さらには大学・学校の先生方あわせて60人くらいは聞いたと思います。
その中で一番よく出てきた名前はやはり村上春樹ですが、その後が少し意外でした。村上文学やアニメから入り日本文学は結構読んでいる人でも、みんな本当にもバラバラな作家、作品を名乗るのです。日本でのロシア文学好きと言えば大体はチェーホフ派かドストエフスキー派に分かれるので、この見事なまでのバラバラっぷりに私は驚いたわけです。バラエティに富んだ名前が出てくるということは、それだけ色々な作品が読まれているともいえます。ただ、記事を書く方としてはランキングにできないので困ってしまいますね…(笑)

 

というわけで、ここではあるインターネットサイトで紹介されている日本文学の記事、その名も『Пять книг японских писателей, которые вам понравятся』(あなたが気に入るであろう日本文学ベスト5)を参考に人気の日本文学を紹介してみます。では、見ていきましょう。

 

 

ロシア人が好きな日本文学作品ベスト5

 

その1:村上春樹『スプートニクの恋人』

最初に出てくるのは間違いなくこの方でしょう。ロシア人は日本人よりも村上先生を愛しているような気がします(外国にいるからそう感じるのかもしれませんが)。このサイトでは「村上を読まずに日本文学を語るのは無礼である」と書かれており、作品については「深い心の持ち主におすすめ」と書いてありました。

 

 

その2:大江健三郎『空の怪物アグイー』

彼は村上春樹がまだ受賞していないノーベル文学賞を獲得している作家ですね。彼の小説は読んでいて辛くなるような話も多いですが、「今を生きるために読むべき一冊である」とコメントされています。

 

その3:安部公房『箱男』

この作品に関しては好き嫌いがあると思いますが、考えさせられることは間違いありません。「外の世界を離れ、人間の奥深い部分を見せてくれる」とコメントされておりました。

 

その4:石原慎太郎『我が人生の時の時』

「日本文学らしくない作品ではありますが、おすすめです。ショートストーリーのように書かれているため、とても読みやすくかつ深い作品」とのことです。私の日本文学反省会は、この作品を読むことから始めようかな…。

 

その5:三島 由紀夫『金閣寺』

この作品は「世界で最も読まれている日本文学」とされています。し、知らなかったー…!「本当の美しさとは何なのかを考えさせる一冊」だそうです。ちなみに、この作品は私が周りに聞いた中でも4,5回くらい「一番好きな日本文学」として出てきましたよ。美の感覚がロシアと日本で違う点が、特に面白かったそうです。

 

 

ということで、比較的クラシカル(とはいっても長い歴史から見れば現代文学ですが)な作品ばかりですが、中には吉本ばなな先生の大ファンで、原文を読みたいからと日本語を勉強し始めた人や、「村上 龍は世界一今の時代の人間をわかっている」と主張する人もいますよ。本当に様々な意見がありました。
まとめとして言うならば、私は日本文学に関して最も気づかせられた点として、「今を生き未来を創る文学」だなと思いました。ロシア文学の世界で知られているものと言ったら100年以上も前の作品ばかりですが、日本文学は今を生きる人が書き今を生きる人が読むので、また別の面白さがあるのではないでしょうか。

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