Bonjour tout le monde! Ecomのオルファです!
皆さんは、パリ都内で暮らしたことはありますか?東京の家賃はよく「高い」と言われていますが、残念ながらパリもそうです…。
今日は、この前のブログで少しだけお話した、パリジャン/パリジェンヌが暮らしている「chambre de bonne」(女中部屋)について書いてみました!
「chambre de bonne」を日本語にすると、「女中部屋」です。女中部屋はフランスで、1890年頃から使われ始めたと言われています。
建物の最上階にある屋根裏部屋なので、とても狭くてほとんどの場合が一人部屋です。屋根の真下なので、壁も屋根の形に沿っています。そのため部屋は、三角形のタイプが多いです。昔はとても狭かったのですが、現在は法律上で最低面積が9平方メートル(約5.4畳), 20立方メートルとなっています。それでも広くはないですけれどね。
なぜこの部屋が有名になったかと言うと…家賃が安いからです!フランスでは一番家賃が高いのは1階で、一番家賃が安いのは最上階です!理由は、エレベータが故障した時にとても辛くなるからだそうです。本当かな?(笑)もちろん、狭いことや不便なことも理由です。また、フランスでは新しい建物より古い建物の方が好まれていて、家賃も高いです。なぜなら、古い建物はパリ建築の本格的な感じが出ているからですね。
ただ、勉強や仕事でフランスの郊外や田舎からパリに来ている人たちは、都内で安く一人暮らしがしたいですよね。その時大体の人(70~80%くらい?)がChambre de bonneに住むことをまず考えます。私の大学時代には、パリ出身じゃない友達の6割ぐらいはChambre de bonneに住んでいました。
上の画像は、左が昔の女中部屋で右が今の女中部屋ですね。天井が三角形になっていることが共通しています。
ところで、なぜこの部屋を「Chambre de bonne」(女中部屋)と呼ぶのでしょうか?
昔パリに住んでいたブルジョアの家庭には、お手伝いさんがいました。この人はいつも家族と一緒にいて色々な仕事をしていましたが、家の中に住ませるわけにはいきませんでした。そのため、屋根の下に「女中部屋」が用意されたそうです。現在でもお金持ちの家や昔から続く家はありますが、お手伝いさんはもういませんね。この部屋を使う必要がなくなったので、一人暮らし用のスペースになりました。そのため今でも「女中部屋」という名前が使われているんですね。
皆さん「女中部屋」の話はいかがでしたか?日本では、このような住まいはありますか?コメントや感想、ぜひよろしくお願いします。
2 thoughts on “パリでの生活にオススメの「女中部屋」を知っていますか?”
このChamber de bonne(フランスの女中部屋)に関連して、先日習ったフランス語の教科書Mauger Blue Iの104ページに、これに関連した面白い話が載っていました。
フランス語で男性名詞のofficeは事務所ですが、同じofficeでも女性名詞のofficeは、台所の近くにある食糧貯蔵などを目的にした小部屋のことと、教科書に書かれていました。これって、日本の伝統的な家屋にある、「納戸」のことですね。また、この女性名詞officeには、la porte de l’escalier de service(裏階段の出入口)があると、この教科書には書かれています。この出入口は御用聞きや使用人のためにあるとの脚注の説明がついていました。これって、日本の伝統的な家屋にある「お勝手口」ですね。日本人でも今の若い方には、「納戸」や「お勝手口」がピンとこないと思いますが、漫画サザエさんで、御用聞きのサブちゃんが、訪ねてくるシーンを思い浮かべてもらえばいいでしょうか。私のフランス語の先生が、30年前にパリに住んでいたころには、bonne(女中さん)がまだいたけれども、現在は皆無だと言っていました。私は興味深かったので日本の古語辞典も調べたところ、「納戸」の詳しい説明があり、平安時代の使用人は、主人の家族とは一緒に食事は出来なかったので、この納戸で食事をした。その食事を「納戸飯」といったとのことです。フランス語の名教科書Mauger Blue は約50年前に出来たので、少し古いフランスを描写していますが、私は、この104ページに出てくるl’office(f.)「納戸」とla porte de l’escalier de service「お勝手口」が、非常に興味深かったです。古今東西、同じようなものがあるのですね。
とても教養のある有益なコメントありがとうございます。
またどうぞよろしくお願いします。