皆さん、中東のダンスといえば何が思い浮かびますか?ベリーダンスでしょうか
ベリーダンスは確かに良く知られている、アラブ世界を代表する踊りです。
でもそれ以外にも、中東で有名なダンスがあります。それは、ダブカ(دبکة)というダンスです。聞いたこと、見たことがある人はいますか?
アル=ダブカは「踏む」、他には「蹴る」「足元で打つ」という意味を持つ言葉です。名前の通りこのダンスは、ほとんど足の動きだけで行われます。ダンスを盛り上げるために拍手をしますが、それ以外には手や腕はほとんど使わずに、足だけでステップを踏むダンスです。
アル=ダブカはグループで踊ったりするダンスで、飛んだりするステップもあるので、とても綺麗で印象的です。また、このダンスはルールが少し変わっていて面白いので、説明したいと思います^^
まずダブカには、振付ダブカと即席ダブカという2つのパターンがあります。
振付ダブカでは、皆が必ずステップの順番や、ダンスの流れをわかっていて、それを意識して踊ります。またダンスの曲や、踊る時間もすべて前もって決まっています。
ですが、それは「普通のダブカ」ではありません。
より伝統的で、よく踊られているのは即席ダブカ(الشمالية アッシャメーリーア)の方です。الشمالية(アッシャメーリーア)にもステップはもちろんあります。ただ、振付がなく参加者も決まっていないです!でもそれだと、どうやって踊っているのでしょうか?
ダブカ・アッシャメーリーアを踊り始める時には、皆が手を繋げて踊っていきます。なので、段々長い列ができますね。一緒に踊りたい人は、列の端にいる人の左手を繋いで踊り始めてください。そうすれば誰でも参加できます。
列の先頭(一番右)の人はアラビア語でلويح(ラウィフ)と言い、このシャメーリーアの列を誘導する役割です。
لويح ラウィフの人は「次は○○(ステップ名)を○○回(回数)しましょう!」とアラビア語で言って、列の皆に次の動きを理解させます。皆のタイミングを合わせることが大事ですが、即興のダンスなので、全員とコミュニケーションを取るのが大変です。こうしてラウィフの人が頑張って、シャメーリーアを続けていきます。
というわけで、ダンスがどんな感じになるかは最後まで全くわからないです(笑)
最後までラウィフの即興に従って、ダンサーが踊っていきます^^そのため、毎回色々なバリエーションがあって、独特で飽きないです。
ちなみに皆さん、ダブカは音楽も即席です!ラウィフは流れている音楽のリズムに合わせてステップを選んで、周りのダンサーに伝えます。基本的に音楽家の演奏する音楽に従って踊りますが、もちろん音楽家もラウィフの様子やシャメーリーアの列の雰囲気を見て、演じる音楽を変えていきます。
誰でも参加できるのがダブカの良い所だと言ってきましたが、「ステップがわからないのにどうやって踊ればいいの?」「途中でわからなくなると列の邪魔になりませんか?」という疑問がありますよね!最後にそれについて説明します。
ダブカは6タイム(6ビート)のダンスなので、基本のステップは1つだけです。このステップは3ビートの同じ動きを2回連続するので、アラビア語で وحدة ونص ワフダ・ウ・ノス(意味:一足す半)と呼ばれます。
基本のステップであるوحدة ونص ワフダ・ウ・ノスが6ビートのリズムなので、上級のステップもどれだけ速くて難しくて、も左右の足が地面を踏む順番は必ず、6ビートのوحدة ونص ワフダ・ウ・ノスと同じです。なので途中で、ステップがわからない時や真似できない時は、基本の6ビートを守りさえすればوحدة ونص ワフダ・ウ・ノスのステップを守ることができるので、グループの邪魔にならないで一緒に踊り続けることができます!^^
ダブカはレバノン、シリア、パレスチナ、イラク、サウジアラビア、ヨルダンといった中東の国で踊られています。それらの国に行った際にはきっと目にする機会があるので、是非参加してください!
ところで、この前テレビを見ていたら、とてもビックリするものを見ました!
「Sexy Zone」と言う日本のグループが…ダブカの振付をした曲を歌っていました!
曲のテーマが、何回かこのブログでも紹介した、アラブ首長国連邦のドバイ市でした。タイトルは「バイバイDuバイ」です。面白い言葉遊びですね(笑)
私はこのグループを知らなかったのですが、とっても可愛い男の子のグループでした。皆さんは知っていましたか
曲の映像を見てみると、ステップには何のミスもなく、とっても綺麗にできていました。最初見た時は、音楽ではなくダブカの動きだけ気にしていました(笑)申し訳ないです(笑)
でも、とても本格的にダブカを踊っていて、良い意味でビックリしましたね。
よかったら見てみて、感想を教えてくださいね~!
ではまた^^