ドイツでテストマーケティング(市場調査)に使われる町「Haßloch」(ハースロッフ)

 

皆さん、guten Tag! Wie geht es Ihnen?イーコムのユリアです。日本でも、ドイツでも消費社会であり、毎年どんどん新しい商品が出てきますね。

ですが、そうした新しいモノやサービスの中には、成功せず、売らないものもあります。最初からドイツ全土にその商品を出したら、失敗した時には会社は大変な損害があります。 できれば最初は損害を少な目にテストしたいものですよね。ドイツでは、企業向けにそうしたテストマーケティングできる理想的な町が用意されています。

その町は、フランクフルトの南、マンハイムの近く、ラインラント=プファルツ州にある「Haßloch」(ハースロッフ)です。「Haßloch (Hassloch)」(ハースロッフ)という町は、Gesellschaft für Konsumforschung (GfK) (ドイツ消費者研究協会)が管理しており、新しく出そうとする商品の試験販売として、最初に発売されます。
人口は2万人ほど。面積は40㎢ほどと、東京山手線内63㎢の2/3くらいの町です。

もちろん、ただ商品を店に並べるだけではなく、広告なども合わせて打ち、新聞やテレビも「Haßloch」限定で放映されたりします。そして、2万人の住民全てではないですが、何割かの人たちはチップカードを持っていて、そのカードで買い物をすることで、企業は簡単に消費データを手に入れることができます。そうすると、どんな商品が、どのような誰に、どのように人気になりそうか、お客さんを決めてから、さらにそれにあったカスタマイズをして、ドイツ中で発売すればいいか決めます。ちなみに、「Haßloch」でもらったデータはドイツ全土に販売した時と比べて90%以上が当たっているそうです。

でも、どうしてそこまで、「Haßloch」(ハースロッフ)の町の試験販売結果が、ドイツ全土への販売とシンクロするのでしょうか?それは、ドイツの平均的な年齢分布や社会階級、貧富や教育具合など、「Haßloch」の人口構成がドイツの標準で保たれているからです。なんだかすごいですよね。日本企業や日本の自治体がドイツでモノやブランド調査、広告などをしたいときにも、テストマーケティングとして使えると思います。

ちなみに、ドイツ人として、「Haßloch」(ハースロッフ)では、他の場所でまだ買えない商品は毎月に買えるのはとても面白いと思います。いつでもバラエティーがあって、買い物が楽しそうですね。
ですが、どんな商品は体験のものかわからないので、いい商品を見つかったと思ったら、次の月にはもうないとわかったら、とても残念なところもあると思います。ドイツの商品が詳しい方であれば、「Haßloch」での新しい商品を楽しむことができるので、ぜひ買い物をしに行ってくださいね。

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