ドイツ語の慣用句、「dran glauben müssen」(それを信じなければなりません)の意味は?

Guten Tag ihr Lieben! イーコムのJuliaです。お元気ですか? 今日はドイツ語の慣用句を紹介したいと思います。宗教的なフレーズに聞こえますが、意味を知るとびっくりすると思いますよ。今回は「dran glauben müssen」です。

直訳:あることを信じないといけません
意味:死んでしまう、犠牲となる

「glauben an」は「なにを信じる」で、「daran」は「それ、そのこと」の意味です。「müssen」は「するべき、しないといけない」です。「dran glauben müssen」は「あることを信じないといけません」として翻訳ができます。「der Glaube」は「信仰」ですが、こちらのフレーズはキリスト教の関係があります。
その歴史を一緒に見てみましょう:
ドイツを含めヨーロッパでは10世紀から13世紀の間に、キリスト教の十字軍があって、イスラム教の中東を改革しようとしていました。キリスト教を信じるよう迫り、信じない人は殺されました。そのため「キリスト教を信じないといけない」ことは「信じないと、死ぬ」との意味として使われました。
「dran glauben müssen」は、現在のドイツ語では「死ぬ」や「犠牲になる」の意味として使われています。 「Er muss dran glauben」は「彼は死んでしまう」「彼は死なないといけない」の代わりに使います。 人が死んでしまう場合だけではなく、ある目的を追いつくため、あるものを使って、その目的のため壊してしまう、使えなくなる時にも使えます。

二つの例文を見てみましょう:

A: Hast du schon die Nachrichten gelesen? Es gab in einem Haus ein Feuer.
(ニュースはもう読みましたか? 昨日、ある家に火事があったみたいです。)
B: Ja, viele Menschen mussten leider bei dem Feuer dran glauben.(はい、たくさんの人がなくなってしまいました。)


A: Gestern musste die ganze Tafel Schokolade dran glauben. (昨日、一枚のチョコと食べてしまいました。/チョコを私のために死んでしまいました)
B: Oh nein, was war denn los? (あら、どうしたの?)
A: Mein Freund hat mit mir Schluss gemacht und ich brauchte einen Trost.(彼氏と分かれてしまって、慰めが必要でした。)
例① の場合には、火事のため人が亡くなってしまったということで「dran glauben müssen」が使われました。事故や災害の場合にはよく使われている慣用句です。

例②  この場合、死ぬとの意味ではなく、Aさんは「慰めのため、チョコをたべてしまった」ということで、チョコは目的のために犠牲となりました。その場合にも、「dran glauben müssen」との言い方が使えます。
こちらの慣用句は、自分の会話の中には、ちょっと使いにくいと思いますが、ドイツ人がよく使ってしまうフレーズで、耳にすることも多いと思います。
これらの慣用句を聞いた時には「信じる」という意味ではなく、「亡くなる」として置き換えたら意味がわかると思います。

日本の人に宗教が背景にある言葉は難しいと思いますが、ちょっと覚えておくとよいと思います。

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