Всем привет! みなさん、こんにちは。Ecomのユリヤです。
ブログを書くためということもありますが、私はこの新年から文学にハマっており、今はドストエフスキーの『罪と罰』をオーディオで聞いています。ちなみに、全部で25時間くらいあります。聞き終わったら、今度は『カラマーゾフの兄弟』かトルストイの『戦争と平和』にチャレンジしたいですね。先は長いですが…。
まあ「読書の秋」に引き続き「読書の冬」ということで(?)、今回はこの前紹介したプーシキンとほぼ同時期のロシア文学のスター2人について少しばかり触れたいと思います。
一人はニコライ・ミハイロヴィチ・カラムジン(Николай Михайлович Карамзин)。そしてもう一人はヴァシーリー・アンドレーヴィチ・ジュコーフスキー(Василий Андреевич Жуковский)です。彼等は時代的にはプーシキンと同じ時期ですが、ロシアの学校ではプーシキンの前に習います。
まずカラムジンですが、ロシア文学に詳しい方なら『哀れなリーザ』という作品を耳にしたことがあると思います。これは、貴族の青年と恋に落ちた若い農民の娘が彼にフラれ、自殺してしまう切ない恋物語です。ストーリーは単純ですが、ロシア感情主義文学の代表作となっています。
また、その頃から既に上級社会の不公平さを示していたと評価する説もあります。ロシア人は必ずこの小説を中学校あたりで読まされるので、全員が知っています。
ちなみに、ストーリー上でリーザが身を投げたモスクワのシーモノフ修道院の池には今、小説のファンがリーザを哀れんで集まるため「リーザの池」と呼ばれています。
また、カラムジンは歴史家や翻訳家としても有名で『ロシア国家史』(История государства российского)の作家でもあり、さらにはシェイクスピアの翻訳も手掛けています。とても多才な人だったんですね。
そして、そんなカラムジンを師匠のように尊敬し、影響を受けたのがジュコーフスキーです。この人のウイキペディアを開くと「ロシア・ロマン主義を代表する詩人。詩作よりもむしろ、原作以上と評される翻訳で名をなした」となっています。
そのため、この方の代表作を言ってくださいとロシア人に聞いても、正直ポンと出てきません。時代的にもプーシキンと被ったためか、あまり注目されていないのです。ただ、『オデュッセイア』(Одиссея)の翻訳が代表的な作品でしょう。
また、ジュコーフスキーはとてもユニークな経歴(?)を持っています。彼の父親は貴族でしたが、トルコとの戦争に出ていく家来に対して「今の家内は年だから、若いトルコの女を捕まえてこい!」と言います。早い話が、それがジュコーフスキーのお母さんとなるのです!
しかし身分上は奴隷との子なので、自分の名前を付けるのはいかん、ということで、家来であったジュコーフスキーの名を付けたのです。今のロシア人に言わせると「家来じゃなくて自分の名前を付けておけば、自分も歴史に残ったのにもったいないねー。」とのことです(笑)
また、ジュコーフスキーは大公妃アレクサンドラ・フョードロヴナと皇太子(後のアレクサンドル2世)の家庭教師としても活躍しました。さらにプーシキンが決闘で亡くなる前まで、彼と皇帝の間での手紙のやり取りを手伝っていました。そして、プーシキンの死後もそのことについて書いています。
彼はプーシキンの死後、シベリアやヨーロッパなどへ長い旅をするのですが、それだけショックだったのでしょうね…。
今日はプーシキンと同時期、ロシアでは「プーシキン前」というカテゴリーで紹介される人の話でした。逆に言えば「プーシキン前のロシア文学」という本が書かれているくらい、プーシキンはロシア文における革命的人物なのです。