Всем привет! みなさんこんにちは。Ecomのユリヤです。先週までソ連時代の文学について書かせていただきましたが、ソ連文学に欠かせないものが他にもあります。それは子ども向けの文学作品…そう、絵本です!
ソ連は子どもの教育にとても力を入れていたので様々な教材やアニメ、映画が生まれましたし、無料のキャンプやクラブなど色んな活動が行われていました。そうした時代だったので、絵本の中にも今でも読まれるような優れた作品が多いわけです☆
あまり和訳されていないことが残念ですが、絵本なので絵だけでもお楽しみいただけます。ロシアっぽい雰囲気が伝わってきて面白いですよ。
その1:Чуковский. Доктор Айболит(コルネイ・チュコフスキー『アイボリット先生』)
なんとびっくり!こちらの作品は和訳がされています。アイボリット先生の名を知らないロシア人はいません。彼はアフリカの動物たちを助けるため、チョコレートを薬に飛行機に乗ってアフリカへ向かいます。そして、泣いている動物たちを病気から救うのです。
日本人の口から「どこでもドア」「タケコプター」が出てくるのと同じく、ロシア人の口からは「アイボリット先生の薬」、つまりチコレートが出てきます。「彼氏と喧嘩して泣いているウサギちゃんはどこかな?ほら、アイボリット先生がチョコを持ってきたよ!」というように。可愛いでしょ?
その2:А. Н. Толстой. Золотой ключик(A.トルストイ『黄金の鍵』)
ソ連時代は、社会主義以外の社会の文化が批判されていたので、シェイクスピアといったよほど昔の作品じゃない限り、出版はもちろん、読むのも禁止されていました。したがって、文学者は人々にヨーロッパの素晴らしい文学を伝えるべく、ロシア語で似たようなストーリーを書き換えたのです。悪く言えばパクリですが、彼らはどの文学作品がベースとなっているのかを隠したわけではないので、決して悪気はなかったと思います。そう、この作品は皆さんもご存じ『ピノキオ』をベースに書かれています。ピノキオとは少し内容が違いますが、この物語でも悪さをしてはいけない、良い子でいましょうという教訓があります。
その3:Волков. Волшебник Изумрудного города(ヴォルコフ『オズの魔法使い』)
こちらもアメリカの物語のロシアバージョンで、『オズの魔法使い』のロシアリメイク版となります。物語の内容はほとんど一緒で、名前だけが少々ロシア語化しています。この作品はアニメ化も映画化もされており、多くのロシア人に言わせれば、元となったオズの魔法使いより面白いとのことです。
私は残念ながらこっちを読んでいないのでわかりませんが、原文も読んだ上で「ロシア版の方が良い」と言う友人がいるくらいです。ヴォルコフがこれを書いた時には、海外の作品の素晴らしさに感動して書いたので、後々自分が評価されるとは思ってもみなかったのでしょうね。