ドイツの大学が用意するDas Seniorenstudium (退職者の大学)

staff02日本では大学生というと、18から22、23歳くらいの間の人のことだと思います。
でも、ドイツでは、大学に入る年齢も、卒業にかかる期間も人によってバラバラなので、
その人の年から大学何年生かはよくわかりません。

library-1400313_960_720ちなみに、ドイツでは、
大学の学費は全て無料なので(多分外国人も)、日本のように留年してもお金が余分にかかるということもないです。なので、みんな安心して?自分のペースで、大学のカリキュラムをすすめていきます。
ですので、ドイツでは、30歳ぐらい(アラサー)で通っている“大学生“が普通にいますし、それより年上の40, 50歳の人も良くいます。教授だと思って年寄りの人に話しかけたときに、教授ではなく、普通の大学生だといわれたことがあります。
もっと年配の、おじいちゃん、おばあちゃんといった人もいます。
私もはじめ、彼らを見たとき、どうして退職した人が大学にいるのかと思っていましたが、
ドイツの大学では「Seniorenstudium」とのシステムがあることを知りました。

「Seniorenstudium」(退職者の大学)とは、
シニアの方向けにも配慮した大学システムで、日本だと特別な聴講制度が近いかと思います。
今まで勉強してきたことを学び直そうとか、あるいは、新しい教育を受けようとか、若いときには大学に入れなくて、やっと大学に参加できるようになったとか、人には様々な理由があります。
退職して年金の年齢に入ると、仕事が終わってからどうすればいいかと迷う老人がいます。その場合、大学に入ると、他の人と出会うこと、脳を元気に残すことができます。
誰とも話さず、頭を使わないと頭が退化しますので。

授業も老人向けといった別クラスではなく、みんなと一緒に勉強したい専門に通います。
大学によっては、退職者はただの聴講生としての扱いもあるし、みんなと一緒に大学卒業資格を与えることもあります。

聴講生の場合、Abitur(センター試験)受験がない人も通うことができますが、きちんと卒業したい場合は、Abiturで点数をとる必要があります。

若い大学生と、年上の人が一緒に大学に通うことは、お互いプラス点があります。
退職者は会社組織といった社会経験があって、授業中に興味が深い話ができます。若者はパソコンなどが得意で、老人にモダンな生活を紹介ができます。

ですが、もちろん不便な点もあります。 やはり、若い大学生には、すぐに仕事に役立つキャリアのために勉強するので、授業のテーマと異なった話をする老人の場合、迷惑をかける可能性もあります。
また、人気がある専門科目は、老人も参加した場合、席がゲットしにくくて、退職者の人は遠慮してほしいという意見もあります。
しかし、そうした迷惑も含めて、若者と老人の一つの社会での共同生活が世の中なので、これから社会人になる学生にとって、いい練習だと思います。

「Seniorenstudium」(退職者の大学)については、ドイツの大学も、
“有料や無料か”、
“卒業できるか、ただの聴講生としての扱いか”、
といったように条件が異なっているので、もし退職をしてからドイツの大学に通うと思ったら、先に大学のウェブサイトを調べておくといいと思います。
費用も外国人であっても、無料か、有料であってもそんなに高くないはずです。
*ちなみに、飛び級については、ドイツは一般的でないため、アメリカのように、15,16といった若い大学生はほぼいないですよ。

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