私は北海道の札幌で育ちましたが、夏が近づいてくるにつれ観光客が多くなってくる光景をよく覚えています。
夏休みの間、小樽や函館、札幌の中心部のレストランは美味しい新鮮なお寿司を目当てにやってきた観光客で込み合います。
今日はそんなお寿司に関してロシア人がびっくりしたことをお伝えします。
(以前に、ロシアの寿司事情について書いたことがあるのでそちらのブログもぜひご覧くださいまし☆彡)
ロシアは大陸のため、基本、よく加熱したものじゃないと食べません。
サハリンなど海に近い地域を除いては、野菜と果物以外の生ものは食べません。
小さな頃から、”火を通さないものは食べると危険でお腹を壊す”と聞かされて、教育されているため、いくら「これは新鮮だから」と言われても、ロシアの習慣で、生モノは、反射的に拒否してしまうのです・・・。
私がガイドを紹介したあるロシア人の家族も、同じように育てられたのでしょう。
ただ、彼らが旅発つ前に私が「必ず一回はお寿司を食べてきてくださいヨ」と言ったこともあり、ちゃんと勇気をもってお寿司屋さんに入ったそうです。
そこまでは良かったのですが、「生魚の匂いで気持ち悪くなって、すぐ出てきちゃったの」とのことでした。
お父さんはそれでも一度は食べてみたかったようですが、お母さんと娘さんはギブアップしてしまいました。
そんなロシアに対して、日本は、火を入れない生の方が、新鮮で、栄養も多く残っているという考え方ですよね。
私もそれが頭にあったので、まさかロシア人が「生もの」に対してここまで拒否反応を起こしてしまうとは思ってもみませんでした。
海に囲まれた地域、日本の生食文化というのは、そういう意味でありがたいですね。

ちなみにその家族は、お寿司屋さんを諦めた後で、生魚が入ったお弁当(酢飯海鮮)を、それとは知らずに食べてしまったそうです。
そのことを知ってからはしばらく、「気持ち悪くなるんじゃないか、食あたりで熱を出したらどうしよう」とソワソワしたそうです。
ちょっとかわいいですよね♡
本人たちも「大丈夫だと理解していても、なんかやっぱりダメなんですよ」と、精神的なものだと認めているから面白いものです。
また、この話で意外だったのは、店員さんが「『生ですよ』って教えてくれないんだね?」と驚いていたことです。
日本では「お酒が入っていますよ」とか「辛いですよ」などは教えてくれるけど、「生」は当たり前すぎて言いませんよね。
後から考えてみると、確かに外国人観光客には言ってあげてもいいかもしれないですね。
そういう意味で、魚の
炙り(あぶり)
は、とてもよい方法だと思います。
寿司やでパフォーマンスになるし、火が入って安心に思って食べられるし・・・。
ただ私の知る限り、たいていの外国人は日本に住んで1年もたてば生魚が食べられるようになり、数年後には大好物になります。

