皆さん、お元気ですか? Hier ist Julia von Ecom. 今日は今の季節に合わせて、冬がでてくるドイツ語の諺を紹介したいと思います。今日の慣用句は「Schnee von gestern」です。
直訳: 昨日の雪
意味:昔のこと、もう時事的ではない、タイムリーでない事柄
こちらのことわざの使い方はとても簡単で、ドイツ語の初心者でも使えると思います。
「der Schnee」:雪
「von gestern」:「昨日の」
との意味で、「Schnee von gestern」は「昨日の雪」ということになります。
では、昨日の雪はどんなものでしょうか? 降ったばかりの雪はまだ白くて、二日目の雪は汚くて、「Schnee von gestern」は汚れてきたもののでしょうか? あるいは、昨日の雪と今日の雪を含めて、大量集まってきて、「多い・たくさんの」ものになっているのでしょうか?
実は、昨日の雪は今日のものではなく、もう溶けてきたので、「現在のことではない」との考えがドイツ人にはあります。
雪が降ると色々と準備が必要で、天気予報で「今日と明日、雪が降る」と教えてくれるのはとてもタイムリーで重要な情報ですよね。
ですが、今日のニュースで、「昨日、雪が降りました」とアナウンスがあっても、どうでもいい、いらない内容ですよね。
そのため、「Schnee von gestern」は、『昔の話題で、現在はどうでもよくなったこと』を表す表現となりました。
「Schnee von gestern」はちょっとカジュアルな会話ですが、一応どんな状況にも使えますよ。
例を見てみましょう:
A: Wie geht es deiner Freundin Anne?(あなたの彼女、アネちゃんは元気にしていますか?)
B: Anne? Ach, die ist doch schon Schnee von gestern. Ich bin jetzt mit Sarah zusammen. (アネ? うーん、彼女は昨日の雪ですよ。 今はサラと付き合っています。)
A: Ach, das wusste ich nicht. (そうなの! 知らなかったです。)
Aの方は、BさんはまだAnneと付き合っていると思っていましたが、実はそれが古い情報で、Anneではなく、Sarahに変更なりました。 そのためには、Bさんは「アネはもう今の彼女ではなく、もうタイムリーな人でなくなった」と言いたかったので、
「Anne ist Schnee von gestern」との言い方をしました。
ちなみに、「gestern」(昨日)よりも「vorgestern」 (一昨日)を使うと、もっとも古い情報との意味になります。
「Das ist Schnee von vorgerstern」といった感じですね。
「Schnee von gestern」とほとんど同じ意味がある、「kalter Kafee」(冷たくなってきたコーヒー)との言い方も使えます。 「Kaffee」(コーヒー)は暖かい間に飲むべきで、誰も冷たいコーヒーに興味がないから、昨日の雪と同じ意味になります。
皆さんも、使ってみてみるか、ドイツ人との会話でこのフレーズが出たときは、ピンと反応してみてくださいね。