こんにちは、Ecomアラビア語のオルファです!今日もアラビア語の名文を紹介したいと思いますが。今回のフレーズは、いったいどのような意味でしょうか?
第40回
اسأل مجرب ولا تسأل حكيم
エスエール・メジェレブ・ワ・レ・テスエール・ハキーム
(頭の良い人よりも、経験した人に尋ねよ)
◆単語
اسأل(エスエール)=聞いて、尋ねて(命令形)
مجرب(メジェレブ)=経験した人
و(ワ)=それと、それで
لا(レ)=しない(否定)
تسأل(テスエール)=(あなたは)尋ねて
حكيم(ハキーム)=学者、物知り
皆さん、これはどういう意味でしょうか。何か知りたい時には、物知りな人に尋ねた方が良くないですか?学者のように知識が豊富にある人に聞くのが、一番早いのでは?
アラブの文化では、学者は社会で最も高い地位の職業です。アラビアの考え方では、人間は一生勉強して知識を求める存在なので、その象徴である学者は皆から一番尊敬されています。
ただしこの名文では、学者のような頭の良い人よりも経験した人に助けてもらおうと言っています。どうしてでしょうか?
例えば日常生活で困った事があって、相談が必要だとします。そういう場合には、アラブ人は「本で勉強した人よりも、実際に同じようなシチュエーションを経験した人の意見を参考した方が良い」と考えています。
学者が勉強して人の話を聞いて分析して、時間をかけて考えたとします。でも、それによって出た答えは、あくまで理論上のものです。実際には使われたことのないものですね。
頭の良い人が出した答えは非常に魅力的に見えますが、実際はあなたと同じようなシチュエーションに遭遇した人に聞いた方が、より分かりやすく具体的な解決方法を出せるはずです。
頭の良い人は社会的な地位も高く、彼らの意見や考えは非常に大事にするべきです。ただ、よりリアルな回答が欲しい時は、実際にその経験をした人に聞いた方が良いですね。その人の頭の良さよりも、実際にその状況に直面した時にどうしたかが重要です。
最近、私の友達の間でも同じような話がありました。女の友達が2人いて、1人は非常に知識のある女性で、様々なレポートやデータに基づいて話すのが好きです。ただ、実際の経験は少ないです。反対に、もう1人の友達は様々なことを経験していて、そこから話を進めます。一体、どちらの意見がより有用でしょうか?ということで大論争していました(笑)
これは、扱う問題のテーマによりますね。今回の名文のように、日常生活の問題なら色々経験している人のほうが良いでしょう。反対に、社会問題など大きなテーマの場合は、データに基づいて理論を組み立てるのも大切ですね。