西ドイツから東ドイツへの贈り物

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皆さん、お元気ですか?ドイツ人はクリスマスなどの行事があると、ほぼ必ず家族で集まります。
ですが、ドイツが東西に分断されていた頃、別れてしまった家族とは簡単に会えるわけではありませんでした。そのため次第に連絡も少なくなってきて、やがて家族関係も離れていってしまいました。
そこで、ボン(西ドイツの首都)にある西ドイツのオフィスから「東ドイツで暮らす家族へ定期的にプレゼントを送ろう」という運動がありました。西ドイツの親戚から贈られてくるクリスマスや誕生日のプレゼントは「Westpaket」(西からの荷物)と呼ばれていました。この前紹介した「Intershop」と同じく、数少ない西側の物を手に入れる手段でした。

 

その「Westpaket」では、東ドイツであまり手に入らないものがよく送られてきました。

荷物の多くは生活必需品よりも、服・甘いお菓子・コーヒー・ケーキの材料といった、日々を楽しく過ごせるようなものが入っていました。

 

西ドイツから東ドイツへの贈り物

 

私の家族の親戚はハノーファーに住んでいたので、東ドイツに住んでいた家族もよくプレゼントを貰っていたそうです。私のお婆ちゃんは特にコーヒーが好きだったので、コーヒーを貰う度、いつも大事に飲んでいたそうです。

ちなみにコーヒーは「Westpaket」の中でも人気で、1961年から約2500万の荷物が送られた中に、約1000トンのコーヒーが入っていました。

 

しかも「Westpaket」はラッピングの質が高かったので、質の悪い紙しかない東ドイツでは大変な人気でした。私のひいお祖父ちゃんも、荷物を受け取った後の梱包をもう一回使っていたそうです。
東ドイツの親戚はその代わりに「Ostpaket」(東からの荷物)を返しました。東西ドイツの間の電話は難しかったので、手紙を除くとその荷物が唯一の便りでした。

 

西ドイツから東ドイツへの贈り物

 

ただし「Westpaket」は国家公安局でチェックされていて、送ってはいけない物が入っていたら西ドイツへ戻されていたようです。

 

私も今はドレスデンに住んでいないので、お母さんから私の大好きな東ドイツの物を送ってもらっています。統一後でも、私の家族は「Ostpaket」の習慣を続けていると言えますね(笑)

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