デモに25万人!? TTPの裏でドイツを騒がせているTTIPの問題

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皆さん、こんにちは。Ecomのユリアです。今日は、ドイツで話題になっているニュースについて書きたいと思います。
日本ではあまり知られていませんが、ドイツではTTIPという貿易協定への参加が議論されています。

TTIPとは、英語で「Transatlantic Trade and Investment Partnership」のことです。これはヨーロッパとアメリカの通商協定で、8億の国民が関わる条約になります。これが結ばれると、世界一大きな自由貿易地帯が生まれます。お互いの貿易を邪魔していると思われている関税をなくしたり技術基準を統一することで、経済を発展させる狙いがあります。

 

デモに25万人!? TTPの裏でドイツを騒がせているTTIPの問題

 

もちろんTTIPのプラス面は、経済発展です。アジアのマーケットへの依存を減らして、もっと安い商品を多様に手に入れることが可能になります。しかしTTIPには、マイナス面もあります。大企業しか得しないことや消費者が保護されなくなること、環境対策がされなくなることなどです。

特にドイツで問題だと言われていることは、通商協定の契約内容が国民に伝えられていない点と、商品の基準が落ちてくる点です。
ドイツの中ではその点から生活を考えてみて、TTIPに参加しない方が良いという声が大きいです。なぜなら、ドイツは元々商品に対する基準が高くて、環境を大事にしているからです。
基準の異なるアメリカの商品がドイツのマーケットに入ると、品質の確認が難しくなります。また、EU全体のメリットとして食べ物の値段は低いですが、アメリカからもっと安い商品が入ると、農夫は生活できなくなってしまいます。
そのため10月10日に、ベルリンでTTIPへの反対デモがありました。皆さん、そこに何人参加したと思いますか?1万人?10万人?違います。25万人も来たらしいです。
もちろん左翼の人も多かったのですが、大半は普通のドイツ国民でした。私の15歳の弟も、デモに参加しました。私は参加できませんでしたが、弟に印象を聞いてみました。

 

「高校の友達にデモに行こうと誘われて、10日にベルリンでTTIPの反対デモに行ってきました。高校でTTIPの話を聞いてからテレビのニュースや新聞で調べて、個人的にはアメリカとヨーロッパとの通商協定はドイツの消費者を大きく拘束するものだと考えるようになりました。

ただ調べたと言っても、皮肉ですがTTIPの詳しい内容はあまり出ていないので、国民は通商協定の影響をあまり予測できません。その点も、TTIPの評価が低い理由です。私は商品の産地などにこだわりはないですが、ヨーロッパの基準を緩くするよりは、アメリカなどの他国の基準を厳しくするべきだと思います。
デモには大量の人が来たため、先頭を歩く人たちと一番後ろを歩く人たちの間は、2時間半もありました。
参加するのは若者ばかりだと思っていましたが、意外と中年やお年寄りの姿も多かったです。私は、デモは若い人がやるものだと思っていたのでビックリしました。25万も参加しているので、ドイツ人の大部分はTTIPに反対だと考えても良いでしょう。」

日本ではTTPがokになりましたが、ドイツ人からすると、日本にはあまり良くない協定だと思われています。なぜなら、世界的にはアメリカの商品より日本の商品の方が人気だからです。日本人にとってプラスになるのか、私もちょっと不安です。

 

デモに25万人!? TTPの裏でドイツを騒がせているTTIPの問題
こちらの写真は、ロンドンでのデモの様子です。

 

私はTTIPに対してあまり詳しくないですが、質問があれば是非聞いてください。

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