ムハンマドの誕生日に食べるデザート、アシダット・ズグーグとは?

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セレーム!Ecomアラビア語のオルファです。
皆さん、2015年も2ヶ月が過ぎましたが楽しんでいますか?実はアラブ世界では、今年の新年の時にとっても大事なイベントがありました。それは…ムハンマドの生誕祭です!ラマダンなどと同じでイスラム暦の行事なので毎年時期が少しずつ変わるのですが、今年は1月3日が生誕祭でした!

以前も少しお話しましたが、キリスト教がイエス・キリストの誕生日をお祝いするように、イスラム教も預言者であるムハンマドの誕生日をお祝いします。それは「مولد النبي マウリド・アン=ナビー」または「المولエル=マウリド」と呼ばれています。
今日は、このお祭りで必ず出てくる、チュニジア人自慢のデザート「アシダット・ズグーグ」を紹介したいと思います。

このデザートは昔からチュニジア人に作られていて、マウリドの定番料理です。アシダット・ズグーグなしでは、マウリドのお祝いはできないくらいです!マウリドの日にはどんな家庭も、一人暮らしの人もこちらを作ります。
私も今年、日本にいるチュニジア人やチュンジア文化の好きな日本人の友達と一緒に「アシダット・ズグーグ」を作りました!

このデザートは3層でできているので、それぞれ作り方を説明していきたいと思います。

 

その1:最下層

 

ムハンマドの誕生日に食べるデザート、アシダット・ズグーグとは?

 

こちらは「アシダット・ズグーグ」の、本当の意味での「ズグーグزڨوڨو」です。ズグーグとは、アレッポマツという松の実から作られたペーストのことです。アレッポマツは名前の通り、元々はシリアのアレッポ市に生えていた松です。中東や地中海に撒かれてスペインやチュニジアなどで特に好まれ、それらの国の食文化に取り込まれました。
アレッポマツのペーストは、チュニジアの食文化の中では日本のあんこと同じような感じで使われます。ただ、あんこよりも甘さが控えめなので、その上に甘いクリームを塗ることが多いです。
ちなみにアラビア語を勉強している方はご存知でしょうが、アラビア語のアルファベットに「グ」という文字はありません。「ڨ」(が)という音は、アラブの中でもチュニジア人にしか使われていない発音です。チュニジアの表現では「が」という発音がものすごく多いのですが正式なアラビア語には存在しなかったので、この字がチュニジア人用に作られました。

 

その2:真ん中の層

 

ムハンマドの誕生日に食べるデザート、アシダット・ズグーグとは?

 

次は黄色、ベージュ色の層です。こちらは「アシダット・ズグーグ」の「アシダットعصيدة」の部分になります。「アシダعصيدة」とは単純に白いクリームのことで、色んな種類があります。「アシダット・OO」と名前をつけることで「OOという種類のアシダ」となります。
アシダは90%が小麦粉で作られていて、パンにOOをつけて食べるとイメージしてくださればOKです。
甘いアシダッはズグーグ以外にも蜂蜜や砂糖を付けて食べますが、甘くないアシダッはトマトソースやスクランブルエッグなどを載せて食べます。こちらもすっごく美味しいですよ!オムライスに近い味わいです。

アシダットの作り方は意外と難しいです。小麦粉に水と調味料だけですが、2時間も茹でながら混ぜる必要があります。茹でるとペーストの水分がどんどん蒸発して固くなっていきます。固くなりすぎないよう、水分がなくなっても回し続けないといけません。どんどん固まっていくペーストに負けずに2時間も精一杯かき混ぜないと、綺麗なアシダッはできません。
アシダッは朝食で食べたくなるので、よくお母さんにリクエストしていました。皆がぐっすり寝ている間、お母さんが早起きしてアシダッを作り始める姿をよく見ました。お母さんに感謝しています^^

 

その3:最上層

 

ムハンマドの誕生日に食べるデザート、アシダット・ズグーグとは?

 

最上層は一番簡単で一番楽しい部分です!(笑)
色んなナッツを使って、綺麗にデザインします。発想力が試されますね。自分が作ったズグーグのオリジナリティをこの表面で表します。皆もちろん味も期待していますが、やっぱりズグーグのデザインも楽しみに待っています。
人気のナッツは、ピスタチオや松の実です。アラブ人は松の実が相当好きなんですね。

アシダット・ズグーグの作り方は以上になります。アレッポマツの松の実を食べたことはありますか?

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