ユリヤのおすすめ!初めてのロシア文学5選

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Всем привет! みなさんこんにちは。Ecomのユリヤです。秋と言えば当然「食欲の秋」ですが、私は最近「オペラの秋」を楽しんでいます。もちろん人によっては「読書の秋」も少なくないと思います。
そこで今回は以前のプーシキンネタに続き、ロシア文学の世界へと皆様をお誘いしちゃいます。ズバリ、私がおすすめするロシア文学作品ベスト5です!

ユリヤのおすすめ!初めてのロシア文学5選
「ロシア文学の父」こと、ゴーゴリ先生です。

 

その1:『鼻』(ニコライ・ゴーゴリ)

主人公がある朝起きると、鼻がなくなっています。どうしようと慌てて外に出ると、自分の鼻が外を歩き回っているばかりか、なんと鼻の方が自分よりも偉そうに振舞っています。
これはゴーゴリの代表作の一つですが、鼻が町を歩くという奇妙な物語です。ただ実は、これも当時の社会への反抗を表現しています。立場さえ偉ければなんでもアリ!な社会に対して、ゴーゴリの怒りがぶつけられているのですよ。短くて読みやすい作品なので、ロシア文学デビューにはもってこいです!

 

その2:『エフゲニー・オネーギン』(アレクサンドル・プーシキン)

以前も映画版を紹介しましたが、これはいまだにロシア人に愛され続けている、美しい恋の物語です。ロシア人であれば、誰しも読んだことがありますよ。
日本語訳を読んだことがないのでどう翻訳されているのかはわかりませんが、韻文小説なのでとても美しい詩で書かれています。また、映画ではなかなか伝わりませんが、さすがはロシア文学の父プーシキンの作品だけあって、しっかり笑いもとれるように書かれています。会話や文章に、ちょっとしたユーモアや皮肉が隠されているんですよ♪だから、悲しい話でも読んでいて重くなりません。

 

その3:『現代の英雄』(ミハイル・レールモントフ)

若い貴族の美青年がコーカサスの地に渡り、恋をしたり喧嘩をしたりする中で人生の意味を探します。結局、彼にとって大切なことは…。

レールモントフの作品はいつの時代に読んでも美しく面白いのですが、個人的には現代の日本社会を生きる人が読むと、尚更はまると思います。

と言うのも、この作品が書かれたのはデカブリストの乱の後で、停滞している時代でした。(プーシキンも同じ時代です。)
この時代の若者はお金も地位もあるのですが、人生の目的を何も持つことができなかったのです。外国人からしたら、日本の若者は経済も豊かで仕事もある素敵な国に住んでいるのに、なぜ鬱になったり、自殺までしてしまうのだろう?と不思議に思っています。
国や時代に関係なく、豊かな社会には意外な落とし穴があることをこの本は物語っているのです。だから、ロシアに全く興味がなくても楽しめる小説だと思いますよ。

 

その4:『巨匠とマルガリータ』(ミハイル・ブルガーコフ)

こちらは、日本の有名な作家の方も世界文学の傑作に選んでいる作品です。裕福でありながら不幸せな夫人マルガリータが、社会に認められず人生を諦めてしまった小説家に出会って恋をするのですが、ある日彼がいなくなります。そして同じ頃、モスクワには手下と共に悪魔がやってくるのですが…。
この作品はロシア語に触れたことがなくても十分楽しめますが、ロシア史が好きなら尚更興味深いと思います。スターリン時代を生きたブルガーコフという才能豊かな小説家が書いた作品のため、スターリン社会への隠された憎しみ?を読み取ることができます。当時の人の心境もわかるのでおすすめです。

 

その5:『月曜日は土曜日に始まる』(アルカージ・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキー)

若いプログラマーが仲間と釣りをしようと思いふらふらしていたら、「人の幸せ」の研究をしているという怪しげな研究所を見つけます。彼はそこにスカウトされ、そのまま居座る…というお話です。
これはストルガツキー兄弟による、一種のファンタジーです。豊かなユーモアの中にソ連社会に対する反抗が隠されていたり、ロシアの神話や昔話をモチーフにしていたり、中々奥が深いです。ただこの作品に関しては、ちょっとロシア通くらいの人の方が楽しめるかもしれません。

 

ロシア文学やその時代背景についてはまた詳しく書く機会をもうけますので、これからもお楽しみに。では、ぜひとも「読書の秋」をご堪能くださいまし☆

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