皆さん、こんにちは。Ecom中国語ネットです^^
今日は、中国語の故事成語を紹介していきます。
第12回 塞翁失马,焉知非福
[sài wēng shī mǎ,yān zhī fēi fú]
“塞翁失马,焉知非福”日本語だと、「人間万事塞翁が馬」ですね。この意味はよく知られていると思います。しかし一体、塞翁という人は何をしたのでしょうか?今回は、それを少し書きますね。
昔々、中国北方の塞に住んでいる、馬を飼うことが得意な人(=塞翁)がいました。しかし彼の馬が、境界の外にある胡の地方に逃げてしまいました。人々が気の毒がると、塞翁は「それは福かもしれませんよ。」と言います。やがて、その馬は胡の駿馬を連れて戻ってきました。人々が祝うと塞翁は、今度は「これは禍かもしれません。」と言いました。
数カ月後、騎馬が好きな塞翁の息子は胡の馬に乗っていたら、落馬して足の骨を折ってしまいました。人々がそれを見舞うと、塞翁は「これは福だろう。」と言いました。
すると一年後、胡軍が攻め込んできて戦争が起きました。若者たちはほとんどが戦死しましたが、足を折った塞翁の息子は兵役を免れたため、死なずにすみました。
つまり、福が禍になり禍が福になるという変化は誰にも測れないのです。
この故事に基づく“塞翁失马,焉知非福”は昔から今まで、いつの時代にも広く使われています。
例文
塞翁失马,焉知非福,你眼前不信俺的话也罢,到了日后,才觉得俺不是说笑话哩。(孙锦标《通俗常言疏证•祸福》引《病玉缘》剧)
(日本語訳)
塞翁が馬、今目の前にいる私の話を信じないと仕方がない。将来のある日、言っていることが冗談ではなく本当になるよ。“塞翁失马,焉知非福”
“焉知非福”を翻訳すると、「(この禍に見えることが)福だとはわからないでしょう?」といった感じです。“塞翁失马”か“焉知非福”どちらか片方だけでも言います。重要なポイントだけを言いたい人は、“焉知非福”を使いますね。また、言葉の意味を普通に説明したらすごく長くなってしまうから、このことわざを使うと便利ですよね。
使用例
朋友甲: 老李, 我跟你说…我刚刚给解雇了。
péng you jiă: lăo lĭ , wŏ gēn nĭ shuō … wŏ gāng gāng gěi jiě gù le.
朋友乙: 怎么回事?…既然已成事实,就不要想太多了. 所谓塞翁失马,焉知非福, 可能你下一份工作更加好呢?
péng you yĭ: zěn me huí shì?… jì rán yĭ chéng shì shí, jiù bù yào xiăng tài duō le. suŏ wèi sāi wēng shī mă, yān zhī fēi fú, kě néng nĭ xià yī fèn gōng zuò gèng jiā hăo ne?
(日本語訳)
友達甲: 李さん、あなたには言います。私はちょうど仕事を首にされた。
友達乙: どういう事?もう事実だから、余計なことは考えないで。“塞翁失马,焉知非福”ってことで、次の仕事はもっと良いものが見つかるかもしれないよ。
太太甲: 上星期我儿子入学的结果出来了, 只能进去第三志愿的小学. 我都不知这要怎么办才好.
tài tai jiă: shàng xīng qī wŏ ér zi rù xué de jié guŏ chū lái le, zhĭ néng jìn qù dì sān zhì yuàn de xiăo xué. wŏ dōu bù zhī zhè yào zěn me bàn cái hăo .
太太乙: 你儿子入了那间学校也很有名的, 焉知非福呢?
tài tai yĭ: nĭ ér zi rù le nà jiān xué xiào yě hěn yŏu míng de, yān zhī fēi fú ne?
(日本語訳)
奥さん甲: 先週息子の入学試験の結果が出ました。第三志望の学校にしか行けません。どうすればいいかな…。
奥さん乙: 息子さんが入る予定の学校は、かなり有名ですよ!福ではないか知らないでしょう?
塞翁のような物事に対する態度は、凄く勉強する価値がありますね。人生は“焉知非福”の事が多いですが、皆さんには何か懐かしい“焉知非福”な出来事はありましたか?