5分でわかる、ドイツの敬語

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こんにちは、EcomのJuliaです。
「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」など、日本語を学ぶ人にとっては「敬語」の正しい使い方を覚えるのがとても難しいです。ただ、英語には敬語がないので他の外国語にも敬語がないとよく思われていますが、ドイツ語には少しだけ敬語があるんですよ。
日本語みたいに色々な言い方はないですけど、相手を呼ぶ時には「Sie」(あなた)と「Du」(君)の二種類があります。
「Sie」を必要とするケースは「Du」より簡単なので、ドイツ語を習い始める人たちは「Sie」の使い方から勉強するはずです。でも友達や若者と話をする時、「Sie」はちょっと冷たい感じがします。そこで今日は、「Sie」と「Du」の使い分けを3つのルールで紹介したいと思います。日本の敬語の考え方とはちょっと違うかもしれませんが、難しく考えすぎないで覚えましょ~。日本の敬語よりは絶対に簡単ですから!(笑)

 

5分でわかる、ドイツの敬語

 

その1:「Sie」の使い方

「Sie」は日本語に訳すと「あなた」や「あなたたち」になります。日本語と同じく、相手に対して敬意があることを表します。そのため、お互いに尊敬していることあるいはオフィスの中での専門家意識などを表すため、会社ではよく「Sie」とファミリーネームを使って呼び合います。長い間一緒に働くと「Sie」から「Du」に代わる場合がありますが、それは後で詳しく説明します。
会社以外では、店のスタッフ、道を聞かれたおばあちゃん、初めて会った大人などには「Sie」を使います。「大人」というのはルール上、16歳以上の人です。
初めて会った人に「Sie」を使った方が良いのかは、自己紹介を聞いていれば分かります。「Ich heiße Peter Müller」(私はミュッラー・ペーターです)と言っていたら、ファミリーネームが入っているので、「Sie」を使うべきだということです。「Ich heiße Peter」(私はペーターです)と、下の名前だけで紹介していたら、「Du」を使っても大丈夫です。

 

その2:「Du」の使い方

さて、次はその「Du」の使い方です。「Du」は「~君(くん)」という意味で、よりクロースな関係を表します。「Du」は年齢に関わらず、家族・友達・生徒の仲間・大学生の仲間といる時にお互いに使います。ドイツ人は「先輩・後輩」の意識が薄く、年齢が違っていても「学生」という同じ立場の集団の意識です。なので、知らない学生でも「Du」と下の名前で呼び合います。当たり前ですが、先生たちにはきちんと丁寧語の「Sie」を使いますよ。ちなみに、年の差が大きくても話し相手が大人なら、丁寧語を使わないと失礼だと思われています。ですので、16歳以下の子供には知らない子でも「Du」を使えばいいわけです。

まだ分かりにくいと思いますので、こちらの例を見て「Du」か「Sie」の使い分けをイメージしてください。

Sie)
※店のスタッフ×お客さん→お互いにSie
※案内所員×観光者→お互いにSie
※会社員×社長→Sie(年齢の差が大きかったら、社長はスタッフにDuを使う時があります)

 

Du)
※両親×自分の子供お互いに「Du」(年齢に関係なく)
※高校生×小学生→お互いにDu
※大学生1年生×大学生3年生→お互いにDu

 

DuとSieの混合)
※子供×大人(他人)→子供は大人に「Sie」、大人は子供に「Du」
※生徒×先生→生徒は先生に「Sie」、先生は生徒に「Du」

さて、3つ目のルールはどんな内容でしょうか!?最後のルールは、「Sie」から「Du」への変化の説明になります。

 

その3:「Sie」から「Du」へ

職場の人たちや初めて会った人たちには「Sie」が使われていますが、特に毎日会う職場で段々と仲が良くなってきた場合、いつまでも「Sie」を使っていると打ち解けてないみたいでおかしいです。その時は「Du」へ変えましょう。けれども、そのタイミングをどうやって見つければいいのでしょうか?
仕事でもプライベートでも、年上の人あるいは自分より長く会社で働いている人から「『Du』を使いましょう」と提案があります。その時から「Du」と「下の名前」を使うようになります(ファミリーネームを使いません)。目下の人から「Du」を使い始めるのは、失礼になるかもしれませんので、タイミングは目上の人に任せましょう。
ところで、オフィスで社長から「Du」を使いましょうと提案があった場合、社長に対して「Du」と言ってもいいですが、だからといって友達同士の関係ではないことをくれぐれも忘れないでくださいね。あと、社長があなたに「Du」を使っても、社長から「Du」を使いましょうと言われていない場合は必ず「Sie」で返事をしましょう。「Sie」から「Du」に変える時は「Ich bin übrigens Julia」 (ちなみに、私がユリアです)と言う場合が多いです。今までファミリーネームを使っていたけど今からはユリアで良いですよ、という意味になります。他には「Nennen Sie mich doch Julia」(ユリアと呼んでくださいね)という言い方もあります。
「Sie」と「Du」はお互いの心の距離の関係を表しているので、お母さんが子供を怒る時に名前ではなく、たまに丁寧語のファミリーネームを付けて子供のことを呼びます。急に「Peter」から「Herr Meier」(Dear Mr Meier)と言われたら、子供は何かまずいことがばれて怒られるのだとすぐに分かります!私もよくお母さんから「Frau」(女性の「〇〇さん」)と呼ばれていました…。良い子だったのに!(笑)

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