ドイツのソーセージを使った面白い表現「Die beleidigte Leberwurst」(機嫌を損ねた肝臓のソーセージ)

Guten Tag! Wie geht es Ihnen? イーコムのユリアです。お元気にしていますか?
ドイツ語の面白い言葉コーナーへようこそ! 今日は、ドイツらしくソーセージを絡めたフレーズ、「Die beleidigte Leberwurst」を紹介したいです。

直訳:機嫌を損ねた肝臓のソーセージ
意味:機嫌を損ねている人の呼称

「Die Leber」は「肝臓」、「die Wurst」は「ソーセージ」、このため、「die Leberwurst」は「肝臓のソーセージ」です。
「beleidigt」は「機嫌を損ねた」の意味なります。結果、二つをあわせると「機嫌を損ねた肝臓のソーセージ」になります。ドイツらしくソーセージがでてきましたね!うーん、肝臓のソーセージなのに、どうして機嫌を損ねることできるのでしょう?こちらの単語は想像しにくいので、語源を見てみましょう:

ヨーロッパ古代、中世の医療では、身体の器官にはそれぞれ情緒があると考えられてきました。
例えば、肝臓は「怒り」があるところです。18世紀までこのような考え方が残っていて、「Die Leber」(肝臓)と聞くと、そのまま「怒り」とイメージされます。そうすると「die beleidigte Leber」は「機嫌を損ねた肝臓」でよいはずです。

ですが、19世紀頃から、なぜ不機嫌なものに肝臓が使われているのか、語源を忘れてしまった結果、とりあえずソーセージをあとに付けて「Leberwurst」(肝臓のソーセージ)になりました。「die beleidigte Leberwurst」は、理由もなく急に不機嫌になっている人の呼び方です。皮肉で、その人を嘲るフレーズです。

使い方は、こちらの例で見てみましょう:

A: Du sieht heute aber müde aus!
(あなたは今日本当に眠そうですね!)
B: Hey, was soll das? Du bist ja total unhöflich! Ich habe halt nicht gut geschlafen
(おいおい、なんで急にその話をするの? それは失礼だよ。僕はただよく寝られなかっただけですよ。)
A: Sei doch keine beleidigte Leberwurst! Ich habe mir nur Sorgen gemacht.
(機嫌を損ねた肝臓のソーセージにならないで。 ただ心配していただけですよ。)

こちらの例には、Aさんはただの事実を言って、Bさんはそれで、意味がなく、怒ってしまいました。Aさんはその怒りの意味が分からなくて、「Die beleidigte Leberwurst」 (機嫌を損ねた肝臓のソーセージ)と呼ぶようにしました。

こちらの単語はドイツのスラングで、仲がよい知り合いや家族などに使っても大丈夫です。夫婦や恋人同士でよく使ったりします。
ただし、本当に怒っている時に使うと、もっと怒ってしまう可能性があるので、使うときには少し雰囲気をみて注意したほうがいいかもしれませんね。

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