ドイツのことわざ:ぎりぎりの汽車

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Ecomのユリアです。みなさんお元気ですか?今日のドイツ語慣用句は、時間厳守なドイツ人にぴったりのフレーズです。ドイツ文化にも由来しているので面白いですし、日常生活とでも仕事関係でも使うことができますよ。

 

第23回
“Es ist höchste Eisenbahn“
(ぎりぎりの汽車だ)

ドイツのことわざ:ぎりぎりの汽車 Es ist höchste Eisenbahn

 
「Die Eisenbahn」は汽車の意味で、「höchst」は「一番高い」ですが、こちらの場合「一番ぎりぎり」という意味で使われています。なので、「Es ist höchste Eisenbahn」は「ぎりぎりの汽車」という言葉になります。さて、「ぎりぎりの汽車」はどういう意味でしょうか?

例えば遅くまで続いた飲み会の後、まもなく終電が来てしまいます。終電に間に合うために、駅へ急いで走りますね。それがまさに「Es ist höchste Eisenbahn」の言い方なんです!つまり「急がないと、もう時間だ!」という意味のフレーズです。
ただ、終電以外の場面、普通なら「Es ist höchste Zeit!」(ぎりぎりの時間だ!)という言葉が使われる時にもこのフレーズを言うことができます。
「汽車」を用いたこの言い回しは、Adolf Glaßberger(アドルフ・グラスバーガー)というドイツの作家の劇に由来があります。

彼の1847年の作品「Ein Heiratsantrag in der Niederwallstraße」(ニーダーワッル道でのプロポーズ)では、配達人として働く主人公がよく文法を間違ったセリフを言います。ある日、彼は駅に届いた荷物を取りに行くのを忘れてしまいました。

それに気づいた時、普通は「Es ist höchste Zeit! Die Eisenbahn ist schon vor 3 Stunden angekommen」(もう時間だ!(荷物を運んだ)汽車は3時間前にも着いた)を言うべきなのですが、彼は文の構造を間違えて「Es ist höchste Eisenbahn, die Zeit ist schon vor drei Stunden angekommen.」(ぎりぎりの汽車だ!時間は3時間まえにも届いた)と言ってしまいました。

この劇から引用をして、時間がない時には「Es ist höchste Eisenbahn!」と言うようになりました。日常でも仕事でも、今すぐやらなくてはいけないことに対して使います。

 

☆使用例☆
母:「Möchtest du deinen Vortrag mit mir üben?」
(私の前で、学校の発表を話してみましょうか?)
息子:「Oh, das habe ich ganz vergessen. Ich habe ihn noch nicht angefangen」
(あっ、忘れた!まだやっていないよ!)
母:「Dann ist es aber höchste Eisenbahn! Der Vortrag ist schon in 2 Tagen!」
(それは、ぎりぎりの汽車だ!急がないと!発表まであと2日しかないよ。)

 

時間に対して厳しいドイツ人は、よく口にする慣用句ですよ。私もいつも「ぎりぎりの汽車」に乗ろうとします…(笑)
みなさんも、是非使ってみてくださいね。

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