ドイツで2016年を表す言葉に選ばれた『Postfaktisch 』(ポスト事実)とは?

staff02みんなさん、Guten Tag Wie geht es Ihnen?
日本の2016年の漢字は「金」でしたよね。リオでのオリンピック競技には、日本の勝利、金メダルが多かったので、選べたわけですね。

2016年の「金」はとてもポジィティブな漢字で、とてもいいと思います。
実は、ドイツでは「今年の漢字」とよく似た、「Wort des Jahres」(今年の言葉)というものがありますよ。

hands-423794_960_720ただし、2016年には、ドイツで様々な問題点があって、2016年の今年の言葉(Wort des Jahres)はあまりにもネガティブな感じがします。 ちょっと翻訳しにくいですが、今日がんばって、2016年のドイツ語の「今年の言葉」を説明しようと思います。

2016年の言葉は『postfaktisch』でした。こちらの単語は造語なので、辞書で調べても出ないと思います。「post-」は後の意味で「faktisch」は事実で、「postfaktisch」は「事実の後」といった直訳になります。では、『Post事実』(postfaktisch)とは、一体どんな意味なのでしょうか?

「Postfaktisch」は「客観的な事実からではなく、感情的な訴えに基づく」という意味です。 事実に目を覆い、無視し、感情論で決めることですね。イギリスでは、11月頃、2016年の言葉に『Post-truth』が選ばれましたが、それと同じ意味と捉えて大丈夫です。
では、どうして2016年の言葉に、イギリス、そしてドイツ共に、この単語が選ばれたのでしょうか?

みんなさんも知っている通り、2015年と2016年にはヨーロッパで、「die Flüchtlingskrise」「難民危機」がありました。
ドイツだけではなく、ヨーロッパ中の国民の間で、難民反対、または賛成かの意見が分かれました。「難民危機」にたいして、Dataや事実などが流れても、そのファクト(事実)をきちんと見ず、気持ちで「難民危機」について評価をしてしまいました。
もちろん私達は感情のある人間なので、そのpostfaktisch (事実的後)は、難民賛成派、反対派両方に当たっています。
そうした2016年の流れの中で、今年の流行語「postfaktisch」は選ばれたようです。

ただ、正直私にとっては、こちらの単語は厳しすぎて、ドイツ人のHumanity(人道)への努力を認めない単語かなと思ったりもします。
確かに、ドイツも含めて「die Flüchtlingskrise」「難民危機」の問題は色々発生していますが、ただ、現状のドイツ人の難民に対してのサポートもある程度認めたほうがよかったのかなと個人的に思います。

実はドイツという国は、日本以上に批判的な国です。今回の日本のようにオリンピック競技成功を祝う言葉も選べれたのですが、ドイツ国民はとても批評的なので、現状否定の、この「postfaktisch」が今年の言葉になったと思います。

みんなさんから見ても、ドイツの2016年の「今年の言葉」、何か思い浮かぶものありますか?あったらコメント欄などに書いてみてくださいね。

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